腱板損傷の判断で使う評価テストとは?
ごう整骨院伊万里院の片岡です。
当院のブログをお読みいただきありがとうございます。
今回のテーマは『腱板損傷の判断に使う評価テスト』についてです。
当院にも整形外科で腱板損傷(腱板断裂)と診断された方が来院されます。
整骨院(整体院)では肩の症状を的確に判断することはかなり難しいです。ですから症状の改善がみられない場合や、徒手検査で少しでも怪しい所見があれば、速やかに整形外科を紹介するように心掛けています。
腱板損傷(腱板断裂)とは?
肩関節はアウターマッスルである表面の三角筋とインナーマッスルである腱板(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)が協調することによって動きます。アウターマッスルは大きく太いために強い力を発揮し、インナーマッスルとは関節の近くに存在するため関節の安定性を高める機能があります。
肩関節は肩甲骨の関節窩(受け皿)に上腕骨頭がはまっており、インナーマッスルである腱板が働く事により上腕骨が受け皿に押し付けられ安定します。腱板が切れることにより、その安定性が損なわれ、肩をあげる事ができなくなったり、痛みの原因となります。
腱板損傷(腱板断裂)の原因は?
ご年齢の問題(加齢性変化)
一番多いのは、ご年齢の問題です。つまり加齢性変化と呼ばれ、だんだんご年齢が増すにつれて、腱板が脆く傷んでくるということです。
四十肩、五十肩という言葉がありますが、六十肩、七十肩という言葉がないのは、この60歳以降くらいになると急激に腱板損傷を起こしている患者さんが増えるからなんです。
五十肩かなぁ、でも、もうそういう年齢じゃないし・・・、という方は調べてみると意外と腱板損傷だったということは少なくありません。
外傷(ケガなど)
次に外傷です。
もちろん、転んで肩を強く打ってしまったというケースで腱板損傷に至ることもありますが、肩は打たなくても手をついただけでも肩に負担がかかり腱板断裂を起こすことがあります。
さらには、もっと軽微なケガとは言い難いレベルでも切れてしまうことがあります。
例えば、転びそうになって手すりをぎゅっと掴んだとき・・・
重いものを上に持ち上げたとき・・・
洗濯物を干したとき・・・
などでも腱板を痛めることがあります。
それは、先ほどの加齢性の変化が大きな原因と言ったように、自然と切れてしまうことすらあるのが腱板損傷ですから、当然と言えば当然かもしれません。
使いすぎ(オーバーユース)
もう一つの原因はオーバーユース、すなわち使いすぎです。
例えば、野球選手のピッチャーですね。繰り返す投球動作の結果、腱板損傷を起こしてしまうことはよく知られています。
もしくは、力仕事に長年従事されてきた患者さんなども比較的、腱板損傷を起こしていることがある印象がありますね。
腱板損傷(腱板断裂)の症状
症状は肩を挙げた時の痛みや夜間の疼くような痛み、また肩を挙げられないといった症状です。一般の整形外科で四十肩五十肩と診断されることも多く、四十肩五十肩と言われた患者さんの中に腱板断裂の患者さんがいる事はよくあります。
四十肩五十肩は、別名として凍結肩と言われるように少し時間が立つと凍結したように固まって動かせなくなります(拘縮)。これは他の人が肩を上げようとしても硬くなっていて動かせない状態です。
一方で腱板断裂の患者さんは痛みであげられなかったり、自分であげる事はできなくても、拘縮は比較的少ないと言われています。
また肩の痛みよりも高頻度にみられるのが筋力低下です。腱板はそれぞれの筋肉がちがう作用(働き)があるため、筋力低下を確認するテスト法が異なります。
腱板損傷を評価する筋力テスト
患者さんがテストをする筋肉の作用する方向に力を入れ、検査をする人が抵抗を加えることで筋力を評価するテスト法です。筋力テストにより、疼痛の有無や筋力低下の程度を確認します。
棘上筋(S S P)テスト
棘上筋は外転(腕を体の横から挙上する動作)で作用する筋肉です。腱板の中で最も損傷が多いのが棘上筋であり、棘上筋が断裂すると外転筋力が20〜30%低下するといわれています。
棘下筋(I P S)テスト
棘下筋は肩関節の外旋(腕を外にひねる動作)で作用する筋肉です。
肩甲下筋(S S C)テスト
肩甲下筋は肩関節の内旋(腕を内にひねる動作)で作用する筋肉です。腱板損傷の場合、痛みにより手を背中に回す動作ができないことがありますので、そのような時はお腹の前で行うベリープレステストを試みる。
ドロップアームサイン
検査する人が外転90°まで持ち上げ、支持している手を離す。 患者さんが腕を支えられなかったり、わずかな抵抗で腕を下ろした場合は陽性。
このように腱板の各筋肉を個別にスクリーニングするテスト法はありますが、実際は損傷している筋肉と検査結果が一致しない場合があります。例えば、棘上筋が単独で損傷している時に肩甲下筋テストで陽性となる場合や、逆に肩甲下筋が損傷している時に棘上筋テストが陽性になる場合がありますので、腱板損傷の有無はその他のテストも併用して判断します。
腱板損傷のテスト法には、筋力テスト以外に疼痛誘発テストがあります。疼痛誘発テストは検者が患者さんに特定の動きを操作する、または患者さん自身に体を動かしてもらうことで腱板に疼痛が発生するかを評価します。
腱板損傷の疼痛誘発テスト
肩峰下インピンジメントサイン
1) Neerテスト
検者は患側の肩甲骨を押し下げ、もう片方の手で外転させていく。
これは上腕骨を肩峰下面に押し当てるテストであり、外転90°を過ぎたあたりで疼痛がみられれば陽性。
2) Hawkinsテスト 検者は屈曲(前方に腕を上げる動作)90°まで腕を上げ、内旋を加える。 これは上腕骨の大結節を烏口肩甲靭帯の下面に押し当てるテスト法であり、疼痛がみられれば陽性。
ペインフルアークサイン
患者さんの力により外転方向に挙上する。 棘上筋が損傷していれば60°〜120°の間で疼痛を感じ、それ以外の角度では疼痛を感じない。
腱板損傷での画像検査
腱板損傷の診断では上記のテスト法が判断の手がかりになりますが、腱板損傷以外の疾患と鑑別し、正確に損傷部位を特定する場合には、画像による検査が必要となります。腱板損傷ではM R Iや超音波による検査が有用です。
M R I検査
腱板損傷に対する画像診断では、M R Iによる検査が最も有用です。
M R Iでは、どの腱板が損傷しているのか、どの範囲まで損傷しているのか、腱板のどの場所で損傷しているのかなどを評価することが可能です。
超音波(エコー)検査
超音波検査では、筋肉や腱の状況を確認することができ、炎症が起きている場所の特定も可能です。超音波検査はM R Iと違い診察室で手軽に行える検査のため、患者さんと一緒にモニターを見ながら肩の状態を説明することもできます。
レントゲン検査
レントゲン検査では筋肉や腱の状態は確認できないため、腱板損傷の判断をするには難しいです。ただし、腱板が断裂すると関節の隙間(肩峰と上腕骨頭の間)が狭くなることがあります。
また腱板損傷は肩関節の肩峰が変形し、骨棘(こつきょく)により腱板がすり切れて発生する場合もありますので、原因究明の手がかりにもなります。
まとめ
腱板損傷を評価するためのテスト法は検査をする目的によって方法が異なります。陽性反応がみられるテストは痛みを伴いますので、痛みの出る強さはポジション、筋力低下の加減を記録することで、治療経過を確認する上での指標にもなります。
ただし、腱板損傷は時間の経過とともに疼痛が消失したり、拘縮により関節の動きに制限がかかり、正確なテストの評価ができないことがあります。
また急性期であってもテスト法だけでは情報が不十分なため、画像診断も含めて判断することをお勧めします。
当院でもまず徒手検査で腱板損傷(腱板断裂)なのか確認を行い、少しでも腱板損傷(腱板断裂)の疑いがあれば、速やかに整形外科をご紹介するようにしています。
肩の痛みや違和感でお困りの方は一度当院へお越しください。きちんと問診・検査・カウンセリングを行い、それから治療に入っていきます。症状の原因が分かって治療に入るだけでも、不安が全然違います。前向きに治療入るだけでも治るスピードが違います。
あなたの悩みの解決方法をご提案いたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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